伐採と処分の費用内訳|切った後に注意すべきこと

庭の木を伐採するとき、多くの人が「伐採費」ばかりに目を向けてしまいます。しかし実は、見積りでトラブルになりやすいのは 伐採後の“処分費” のほう。
「切った後にどう処理するの?」
「処分費っていくらかかるの?」
「切り株は残すべき?抜くべき?」

こうした疑問は、伐採前に知っておかないと後悔につながる重要ポイントです。

この記事では、伐採専門のプロ視点で
・伐採と処分の費用内訳
・処分費が高くなる理由
・切った後に必ず注意すべき点
・自治体処分の可否
・費用を抑える方法
・見積りで確認すべき項目

をわかりやすくまとめました。

伐採を検討している人だけでなく、「見積りの読み方を知りたい」「無駄な費用を避けたい」人にも役立つ完全ガイドです。

目次

伐採と処分は別料金?知らないと損する基本知識

・伐採=木を切る作業のみ

木を倒す、枝を落とすなどの“作業費”に該当。

・処分=切った枝葉・幹・根の運搬と廃棄

多くの業者では 伐採料金に含まれない

・処分費のほうが高くなることもある

枝が多い木や太い幹は処分費が高額になりやすい。

・見積りで最もトラブルが多い部分

「伐採だけの料金だと思って頼んだら、処分費で倍になった」というケースが実際に多い。

伐採と処分はセットではないため、必ず別で確認する必要があります。

伐採費用の内訳

処分費を理解する前に、まず伐採そのものがどのように料金構成されているか把握しておきましょう。

作業費(伐採本体)

木の高さ・太さで決まる

樹高が高い・幹が太いほど危険度が上がり、作業時間も増えるため高額に。

危険度(傾き・腐り)

倒木事故のリスクが高いため、熟練の作業員が必要。

人員数

安全確保のため、一般的な伐採でも 2〜4名体制 になることが多い。

枝下ろし(枝払い)

伐採前に、木を軽くするため枝を落とす工程。
狭い庭や隣家が近い場合、この工程が増えて費用が上がる。

特殊伐採

住宅街では最も発生しやすい加算項目。

特殊伐採とは

倒すスペースがない木を
ロープ・滑車・高所作業車・クレーン
などを使って上から少しずつ切り下ろす作業。

発生する状況

・隣家と密接
・電線が近い
・狭小地
・高木(10m以上)
・傾きや腐りがある木

費用が高額になる理由

高度技術・作業員増加・時間延長などのため。

処分費の内訳【最も誤解される部分】

伐採後に発生する処分費は、次の5項目に分かれています。

枝葉の処分

・軽いが大量に出る
・最もかさばるため処分費の中心になる
・量で3,000〜10,000円ほど変動

幹木(丸太)の処分

・重量があるため運搬に手間
・チェーンソーで細かく切り分け必要
・5,000〜20,000円ほど

根(切り株)処分

切り株は“残す or 抜根”で大きく費用が変わる。

抜根費用

10,000〜100,000円
・根の広がり
・重機の必要性
で金額が大きく上下する。

運搬費

・現場からトラックまでの距離
・横付けの可否
・階段・坂の有無
→ 5,000〜15,000円変動

処分場料金

自治体によって
・家庭ゴミとして無料
・重量料金制
・業者持ち込み不可
などの差がある。

高くなりやすい処分費の条件

処分費は現場状況で大きく変わります。

広葉樹(サクラ・ケヤキなど)は枝が多い

処分量が増えて高額になりやすい。

幹が太い

重量が増え、切り分け数も増える。

庭が狭く搬出が困難

搬出ルートが狭いと人件費が増える。

トラックを横付けできない

距離が増えるほど作業時間が伸びる。

大量処分(複数本)

全体のボリュームが増えて処分費が比例して上がる。

切った後のトラブル例と注意すべきこと【最重要】

伐採よりも「切った後」で後悔する人が多いのが現実。

切り株から芽が再生する

クス、ヤナギ、ニセアカシアなどは再生力が非常に強い。
放置すると木が復活してしまい、再び伐採が必要に。

シロアリや害虫を呼び寄せる

切り株が腐るとシロアリ・キクイムシなどが発生する。

景観が大きく変わる

木がなくなると日当たりが変わり、雑草が増えることも多い。

隣家への飛散トラブル

伐採後の細かい葉の掃除が不十分だと、隣家との関係悪化につながる。

処分費が追加請求になった

見積りで処分費の内訳を見落としていたケースが多い。

自治体の粗大ゴミで出せるのか?

一般家庭なら出せる場合がある

・50cm以下
・紐でまとめる
などの条件を満たせば、無料〜数百円で処分可能な自治体も。

ただし、業者が切った木は受付不可の自治体も多い

「家庭ゴミ扱いにならない」ため。

大量の木材は不可

軽トラ1台分などは一般の粗大ゴミでは処理できない場合が多い。

切り株の処理方法(残す?抜根する?)

抜根する場合

メリット

・萌芽再生がない
・地面が平らになる
・駐車場や菜園にしやすい

デメリット

・費用が高い
・重機が必要な場合がある

切り株を残す場合

メリット

・安く済む
・作業時間が短い

デメリット

・再生する木がある
・腐って害虫が出る
・見た目が気になる場合も

不法投棄は絶対にNG

木材でも不法投棄は犯罪です。

・5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
・依頼した業者が不法投棄していた場合もトラブルに巻き込まれる
・処分方法が明記されている業者を選ぶことが重要

安さ優先で業者を選ぶと、後から大問題になる危険がある。

処分費を抑えるコツ

ここが検索ユーザーが最も知りたい部分。

自治体の処分場に持ち込む

最安値で済む方法。
手間はかかるが費用を大幅に削減できる。

枝葉だけ自分で処分する

処分費の中で一番量が多いのが枝。
業者には幹だけ処分してもらうという方法もある。

複数本まとめて依頼

作業効率が良くなり、処分費の“単価”が下がる。

地元業者に依頼する

出張費が不要で、地域の処分ルールにも詳しい。

繁忙期を避ける

台風後や春先は高くなりやすい。

現地見積りを受ける

写真だけの見積りは量の誤差が出やすく、後から追加料金の元になる。

見積りで確認すべき項目

・伐採と処分が分かれて記載されているか
・処分範囲(枝・幹・切り株・運搬)が明確か
・追加料金の条件
・車両の横付け可否
・特殊伐採の有無
・賠償保険の加入

この項目を押さえるだけで、見積りトラブルはほぼ回避できる。

まとめ|伐採後の“処分”まで理解してこそ適正価格がわかる

・伐採費と処分費は別料金になるケースが多い
・処分費は木の量・形状・搬出ルートで大きく変わる
・切り株の扱いと再生木には要注意
・自治体処分を使えば大きく節約できる
・見積りでは「処分の内訳」を必ず確認
・安全かつ適正価格で依頼するにはプロへの相談が最も確実

伐採は“切るまで”ではなく、“処分まで”を含めてはじめて作業が完了します。
後悔しないためにも、切った後の流れや費用の仕組みをしっかり把握しておきましょう。

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