「うちの裏庭の木、大きくなりすぎてお隣さんの屋根にかかってる…」「崖っぷちに生えてて、どうやって切ったらいいか見当もつかない…」そんな、普通の方法ではどうにもならない厄介な木、ありませんか?
こんにちは、高所作業と重機操作が大好きな、ちょっと変わった庭師です。そんな絶望的な状況でこそ輝くのが、我々の専門分野「特殊伐採」。でも、この言葉を聞くと、同時に「…費用、めちゃくちゃ高いんじゃないの?」という不安がよぎりますよね。ええ、分かります。その通り、安くはありません。この記事では、なぜ高いのか、そして一体いくらかかるのか、その費用の謎と相場について、包み隠せずお話しちゃいます!
「特殊伐採」って何者?普通の伐採とレベルが違うんです
まず、そもそも「特殊伐採」ってなんなの?ってところからですよね。普通の伐採と何が違うのか。一言で言ってしまうと、「木を安全に倒すスペースがない場所での伐採作業」、これに尽きます。
普通の伐採との決定的な違い
広いお庭や山の中なら、木の根元に切り込みを入れて、「受け口」と「追い口」を作って、狙った方向に「ドーン!」と一本丸ごと倒せます。これが普通の伐採。まあ、これも技術はいるんですけどね。
でも、住宅が密集していたり、すぐそばに電線やカーポートがあったり、木が建物に向かって傾いていたりしたら…どうでしょう?そんなことしたら、大惨事ですよね。想像しただけで血の気が引きます。
そこで登場するのが特殊伐採。木に登って、上から少しずつ枝を切り、幹も数メートル単位で分割して、ロープでゆっくり地面に下ろしていくんです。まるで、巨大なプラモデルを丁寧に分解していくような作業。これが、特殊伐採の正体ってわけです。
こんな時が「特殊伐採」の出番です!
具体的に、どんな状況だと特殊伐採になるのか、いくつか例を挙げてみましょう。あなたの家の木が、もしこれに当てはまったら…それは特殊伐採のサインかもしれません。
- 家の屋根やカーポートに枝が覆いかぶさっている
- すぐ隣に電線や電話線が通っている
- お隣の敷地に入らないと作業ができない
- 木が崖や急な斜面に生えている
- 重機やトラックが入れないほど道が狭い
- お墓の中など、絶対に傷つけられないものがある場所の木
どうです?「あ、うちかも…」と思った方もいるんじゃないでしょうか。そう、これらの状況は、もはやDIYでどうにかなるレベルを遥かに超えているんです。
なぜ高い?特殊伐採の費用が決まる「裏側」を大公開

さあ、本題です。見積もりを見て「えっ、ゼロが一個多くない!?」と驚く方も少なくない、特殊伐採の費用。でも、その金額には、ちゃんとした、いや、切実な理由があるんです。僕らの仕事の裏側を、ちょっとだけお見せしますね。
費用の大半は「技術料」と「リスク料」
はっきり言って、これが全てかもしれません。高さ20メートルの木の上で、足場もない中、重さ10kg以上のチェーンソーを振り回す。しかも、切った枝がどこに落ちるか、ミリ単位で計算しながら…。これ、想像できます?
一歩間違えれば、大怪我じゃすまない。常に危険と隣り合わせの作業です。その極めて高度な専門技術と、命がけの作業に対する対価が、費用に反映されているんです。これはもう、単なる作業代ではなく、「安全に問題を解決するための費用」だと考えてもらえると、嬉しいですね。
費用内訳をざっくり解説!
もちろん、技術料だけじゃありません。他にも色々な経費がかかってきます。特殊伐採の見積もりは、大体こんな要素で構成されています。
項目 | 内容 | なぜ高くなるのか? |
---|---|---|
基本作業費(技術料) | 木に登り、伐採する職人の人件費 | 高度な技術を持つ職人が必要。最低でも2~3人のチームで作業するため、人数分の費用がかかる。 |
特殊機材・重機費用 | クレーン車、高所作業車、大型トラックなどのレンタル・リース代 | レンタル代だけで1日5万円~15万円以上かかることも。オペレーターの人件費も別途必要。 |
伐採木の処分費 | 切った枝や幹を処分場へ運搬・処分するための費用 | 木は産業廃棄物扱い。木の量(トラックの台数)で費用が決まる。細かく切る手間もかかる。 |
諸経費 | 交通費、駐車場代、損害賠償保険料など | 現場までの距離や、作業に必要な申請などで変動。保険料は安全の証でもある。 |
…とまあ、こんな具合です。普通の伐採に比べて、関わる人間も、使う機械も、格段に多く、そして専門的になる。だから、どうしても費用は高くなってしまう、というわけなんですよ。
【料金表】ぶっちゃけいくら?状況別の費用目安

「理屈は分かったから、で、結局いくらなの?」という声が聞こえてきそうですね。お待たせしました。ここでは、あくまで一般的な目安として、費用感をお伝えします。
注意!:これは本当に、本当にただの目安です!木の枝ぶり、周りの状況、作業の難易度で金額は大きく変動します。最終的には必ず現地での見積もりが必要です!
木の高さ別・基本料金の目安(重機なしの場合)
- 5m~7m程度の木: 30,000円~80,000円
- 10m前後の木: 50,000円~150,000円
- 15m前後の木: 100,000円~250,000円
- 20mを超える大木: 200,000円~ ※上限なし
同じ高さでも、枝が四方八方に広がっている木と、スッと上に伸びている木では、作業時間が倍以上違うこともあります。なので、この金額の幅になるわけです。
重機を使うと、さらに追加費用が!
- 高所作業車(10m~15m): +30,000円~50,000円/日
- クレーン車(2t~5t): +50,000円~80,000円/日
- 大型クレーン車(10t以上): +80,000円~150,000円/日
「え、重機使ったら高くなるの!?」と思うかもしれませんが、実は逆のケースも。人力で何日もかかる作業が、クレーンを使えば半日で終わる、なんてこともあります。その結果、人件費が抑えられて、トータルの費用は安くなることも珍しくないんですよ。この辺りの判断は、プロの見立てが重要になってきますね。
見積もり前に知りたい!費用を賢く抑える3つの裏ワザ

高額になりがちな特殊伐採。でも、ちょっとした工夫で、費用を賢く抑えることができるかもしれません。僕ら業者側から見た、「こんなお客さんだと、ちょっとお安くできるかも…」というポイントをこっそり教えちゃいます。
1. 相見積もりは「交渉材料」のために取る
これはもう鉄則ですね。最低でも3社から見積もりを取りましょう。ただし、目的は「一番安い業者を探す」ことだけではありません。「A社はこういう作業内容でこの金額だったんですけど、御社ではどうですか?」という具体的な交渉材料にするためです。各社の提案内容を比較することで、作業の適正価格が見えてきますし、誠実な業者を見抜く目も養われます。
2. 「処分は自分でやります!」と申し出る
費用の内訳で説明した通り、「伐採木の処分費」は意外とバカになりません。もし、あなたが切った木を自分で処理できるなら、その分を値引きしてもらえる可能性が非常に高いです。
例えば、細かくして燃えるゴミに出す(自治体のルール確認は必須!)、知り合いに薪ストーブを使っている人がいれば譲る、庭の隅に積んでおいて自然に還す、など。見積もりの際に「幹や枝はこちらで処分するのですが、お安くなりますか?」と一言聞いてみる価値は、大いにありますよ。
3. 業者の閑散期「冬」を狙う
庭木の業界は、春から夏、そして秋にかけてが繁忙期です。逆に、植物が休眠する冬場は、比較的仕事が落ち着く傾向にあります。
もちろん緊急の場合は別ですが、もし計画的に伐採を考えているなら、冬に依頼をすることで、業者側もスケジュールを組みやすく、少し価格交渉に応じてくれる…かもしれません。まあ、これはちょっとした裏ワザ、ということで。
業者選びで地獄を見ないために。これだけは確認して!

特殊伐採の業者選びは、大げさじゃなく、あなたの財産と安全を守るための、最も重要なプロセスです。「安かったから」という理由だけで選んだ結果、家を壊された…なんて話も、悲しいですが実際にあります。そうならないために、最低限これだけは確認してください。
ホームページで「施工事例」を確認する
その業者が、これまでどんな難しい現場をこなしてきたのか、写真付きの施工事例で確認しましょう。あなたの家の状況と似たケースの実績があれば、それは大きな安心材料になります。逆に、事例が全くない、あるいは簡単な作業ばかりの業者は、少し慎重になった方がいいかもしれません。
「損害賠償保険に入っていますか?」と聞く
もう、これは合言葉だと思ってください。万が一、作業中に物損事故が起きた場合、保険に入っていないと、補償を巡ってとんでもないトラブルになります。プロ意識の高い業者なら、100%加入しています。「入ってますよ」と即答できないような業者は、その時点でお断りしましょう。はっきり言って、論外です。
担当者の説明は丁寧か?質問にちゃんと答えてくれるか?
見積もりに来た担当者の人柄も、大事な判断基準です。こちらの不安な気持ちを汲んで、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるか。リスクや作業内容について、質問に真摯に答えてくれるか。最終的に、人と人との信頼関係ですからね。「この人になら任せられる」と心から思える業者を選ぶのが、一番の後悔しないコツだと思います。
まとめ
特殊伐採の費用、いかがでしたか?正直、「やっぱり高いな…」と思われたかもしれません。でも、その金額は、ただ木を切るだけの値段じゃないんです。
それは、プロの技術と経験で、あなたとご家族、そしてご近所さんの「未来の安全」を確保するための費用。いわば、安心への投資なんです。放置して、いつ倒れるか分からない木に怯えながら暮らす日々と、スッキリした気持ちで迎える明日。どちらを選びますか?
まずは、勇気を出して、専門業者に見積もりを依頼してみてください。現状をプロの目で見てもらうだけで、きっと心が軽くなるはずです。あなたの長年の悩みの種が、一日も早く解消されることを願っています。