植木伐採の費用相場|1本あたりの料金と安く抑えるコツ

「庭のこの木、なんだか大きくなりすぎて、ちょっと邪魔かも…」「切ってもらいたいけど、一体いくらかかるのか見当もつかなくて怖い」。そう思って、ついつい植木の伐採を先延ばしにしていませんか?

こんにちは、毎日木と向き合い、お客様の「困った」を解決している庭師です。植木の伐採費用って、本当に分かりにくいですよね。ホームページを見ても「〇〇円~」としか書いてなくて、「この『~』がクセモノなんだよ!」って叫びたくなっちゃう。

この記事では、そんなあなたのモヤモヤを吹き飛ばすために、費用相場のリアルな話と、賢く費用を抑えるための、僕らプロが実践している裏ワザを、包み隠さずお話しします!

なぜ植木の伐採費用は「あってないようなもの」なのか?

まず、一番大事なことからお話しさせてください。なぜ、植木の伐採費用には「定価」がないのか。それは、この世に全く同じ木、全く同じ現場は一つとして存在しないからです。は?当たり前だろって?まあまあ、そう言わずに聞いてくださいよ。

例えば、同じ高さ3mのキンモクセイが2本あったとします。でも、片方は広い庭の真ん中にポツンと生えていて、もう片方はお隣さんとの狭いブロック塀の際に、電線に絡まるように生えている。…これ、作業の手間と危険度が、天と地ほど違うと思いませんか?

そうなんです。僕らが見積もりにお伺したとき、真っ先に見るのは木の高さだけじゃありません。幹の太さ、枝の広がり方、そして何より「その木が、どんな場所に、どんな風に生えているか」という周辺環境。

これらの要素が複雑に絡み合って、一本一本、オーダーメイドのように料金が決まっていく。だから、料金表を作るのがめちゃくちゃ難しいってわけです。もどかしいですよね、本当に。

【料金表】高さ別!植木伐採の費用相場をざっくり大公開

「理屈は分かったけど、やっぱり目安が知りたい!」…ですよね。承知しました。ここでは、あくまで一般的な状況(重機を使わず、作業スペースも普通にある場合)を想定した、ざっくりとした費用相場をお見せします。あなたの家の木はどれに当てはまるか、ちょっと想像しながら見てみてください。

木の高さ費用相場の目安(1本あたり)備考
低木(~3m未満)3,000円 ~ 10,000円人の背丈くらいの木。DIYで挑戦する人もいるが、意外とゴミの量が出る。
中木(3m~5m)8,000円 ~ 25,000円脚立やハシゴが必要になる高さ。このあたりからプロに頼むのが無難。
高木(5m~7m)15,000円 ~ 40,000円2階の屋根に届くかどうか、という高さ。素人作業は絶対に危険。
7m以上30,000円~(要見積もり)特殊伐採の領域に入る可能性も。状況により費用は大きく変動する。

【超重要】
この金額には、通常「伐採作業費」と「伐採後の清掃費」が含まれていますが、「切った木の処分費」や「重機代」「抜根(ばっこん)費」は含まれていないことがほとんどです!ここ、一番勘違いしやすいポイントなので、絶対に覚えておいてくださいね。

見積もりでチェックされる!料金を左右する5つのポイント

さて、上記の料金表がなぜあんなに金額に幅があるのか。その秘密は、僕らプロが見積もりの際にチェックしている、以下の5つのポイントに隠されています。これが分かれば、あなたも「ああ、だからうちの場合は高くなるのね」と納得できるはずです。

1.木の高さと「幹の太さ」

高さはもちろんですが、同じくらい重要なのが幹の太さです。ひょろっとした木と、両手で抱えられないような太い木では、使う道具も、かかる時間も、そして危険度も全く違います。太ければ太いほど、料金は高くなる。これはもう、物理の法則みたいなものですね。

2.作業場所の状況(リスク料)

これが一番値段を左右すると言っても、過言じゃありません。「すぐ隣にカーポートがある」「真下に高価な庭石や池がある」「電線がすぐそばを通っている」…。

障害物が多ければ多いほど、僕らはより慎重な作業を求められます。枝を一本一本ロープで吊るして下ろす、なんてことも。その手間とリスクに対する上乗せ料金、いわゆる「リスク料」が加算されていくわけです。

3.重機の必要性

「トラックが家の前まで入れない」「クレーン車なんて、とんでもない!」という現場は多いです。でも、逆に言えば、重機が使えると作業効率が劇的にアップすることも。

ただし、クレーン車や高所作業車を使えば、当然そのレンタル代(数万円~)が費用にプラスされます。その現場にとって、重機を使うのが得策か否か。ここがプロの腕の見せ所でもあります。

4.伐採後の「木の処分費」

「木を切ったら、タダで持っていってくれるんでしょ?」…これ、よくある誤解なんです。実は、伐採した木は「産業廃棄物」扱いになることが多く、処分するには専門の施設にお金を払って引き取ってもらう必要があります。

軽トラック1台分で5,000円~15,000円くらいが相場でしょうか。木の量が増えれば、当然この処分費もどんどん膨らんでいきます。見積書に「処分費」の項目があるか、しっかりチェックしてくださいね。

5.「抜根(ばっこん)」までするか

伐採は、あくまで「木を根元で切る」までの作業です。その後に残る「切り株」を根っこごと取り除く作業は、「抜根(ばっこん)」と呼ばれ、全く別の作業になります。

これがまた、大変な力仕事でして…。スコップで掘り起こしたり、重機を使ったり。当然、伐採料金とは別に、数千円~数万円の追加費用がかかります。「更地にしたい」という場合は必須の作業ですが、そうでなければ切り株を残しておく、という選択肢もアリですよ。

プロがこっそり教える!伐採費用を安く抑える4つの裏ワザ

さあ、お待たせしました。ここからは、少しでも費用を安く抑えたいあなたに贈る、とっておきの裏ワザです。全部実践すれば、数万円単位で費用が変わってくることも…あるかもしれません!

1.相見積もりは「交渉のため」に取る

「複数の業者から見積もりを取りましょう」なんて、もう聞き飽きましたよね。でも、声を大にして言いたい!これは絶対にやってください。ただし、目的は単に一番安い業者を見つけることじゃありません。A社の見積もりをB社に見せて、「ここではこういう内容なんですけど…」と交渉する。

そうすることで、各社の強みや誠実さが見えてくるし、価格競争も働きます。手間を惜しんではいけません。

2.「処分は自分でやります!」と宣言する

これが一番効果的かもしれません。先ほど説明した通り、処分費は意外と高くつきます。もしあなたが、切った木を自分で処理できるなら、その分をごっそり値引きしてもらえる可能性があります。

細かくノコギリで切って、少しずつ燃えるゴミに出す(自治体のルールは要確認!)。

あるいは、乾燥させて薪にする。手間はかかりますが、節約効果は絶大です。「片付けと処分はこちらでやりますので、切りっぱなしでいくらになりますか?」この一言、ぜひ使ってみてください。

3.複数の作業を「まとめて」依頼する

もし、伐採したい植木が何本かあったり、ついでに庭全体の剪定もお願いしたいと考えているなら、絶対にまとめて依頼すべきです。業者からすれば、一度の出張で多くの仕事をこなせるので、トラック代や人件費などの経費が節約できます。

その分、「セット割引」のような形で、あなたに還元してくれる可能性が高いってわけです。

4.業者の閑散期「冬」を狙う

庭木の業界は、春から秋にかけてが繁忙期。特に夏場は、草むしりや剪定の依頼が殺到して、てんてこ舞いです。逆に、木々の成長が止まる冬(12月~2月頃)は、比較的仕事が落ち着きます。

緊急でなければ、この時期を狙って相談してみると、業者側もスケジュールに余裕があるため、少しだけ価格交渉に応じてくれる…なんてこともあるかもしれませんよ。

まとめ

植木の伐採費用、その内訳とリアルな相場、そして安く抑えるコツ。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もう、あなたは「ただ高い」と怯えるだけの素人ではありません。なぜその金額になるのかを理解し、賢く交渉できる知識を身につけたはずです。

最後に一つだけ。費用を抑えることはもちろん大切ですが、一番大事なのは「安全」です。安さだけを追求して、経験の浅い業者に頼んだり、無謀なDIYに挑戦したりした結果、家や車を傷つけたり、大怪我をしてしまっては、元も子もありません。

信頼できるプロに支払う費用は、あなたの家と家族を危険から守るための「安心料」であり、「安全への投資」です。この記事で得た知識を武器に、ぜひあなたにとって最高のパートナーとなる業者さんを見つけてくださいね。

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